古物商許可

古物営業法の目的と趣旨

古物商営業許可は、古物営業法に基づいて規定されています。
この法律の目的は、盗品や不正取得物が市場で流通するのを防ぎ、公共の安全と秩序を保つことです。

目的

  • 窃盗や詐欺などの犯罪で取得された物品が古物市場で売買されることを防止
  • 古物商の営業活動を適切に管理し、健全な市場取引を促進

趣旨

  • 古物営業を許可制とすることで、事業者を把握し、必要な規制を行う
  • 盗難品の迅速な追跡と回収を可能にするため、取引記録の保存を義務付け

許可が必要なケースと不要なケース

許可が必要なケース

  • 古物を買い取って売る、修理等して売る、使える部品を売る、レンタルする
  • 古物を販売するよう依頼を受けて、手数料をもらう(委託販売)
  • 古物と別のものを交換する
  • これらをインターネット上で行う

許可が不要なケース

  • 自分のものを売る、無償でもらったものを売る、自分が海外で買ってきたものを売る
  • 自分で購入したものをオークションサイトに出品する
  • 相手から手数料等をとって回収したものを売る
  • 自分が売ったものを買い戻す

許可要件

古物商営業許可を取得するためには、以下の要件を満たす必要があります

欠格要件がないこと

  • 年齢: 申請者が成年(18歳以上)であること
  • 欠格事由: 以下の条件に該当しないこと(古物営業法第4条)
    • 禁錮以上の刑に処せられ、刑の執行が終わった日から5年を経過していない
    • 古物営業の許可を取り消され、取り消しの日から5年を経過していない
    • 暴力団員またはその関係者でないこと
    • 心身の故障により古物商等の業務を適正に実施できないこと など

主たる営業所を置くこと

営業所ごとに管理者を置くこと

業務を適正に管理するための責任者として置かれる管理者は、職名は問われませんが、その営業所の古物取引に関して管理・監督・指導ができる立場の人となります

取扱品目の指定

申請時に取扱う古物の品目を選択する必要があります。主な品目には以下があります。
美術品類、衣類、時計・宝飾品類、写真機類、事務機器類、書籍、金券類など。


許可取得の手続き

申請書の提出

  • 申請者は、営業所を管轄する警察署の生活安全課に申請書等を提出します。
  • 申請手数料:19,000円

審査期間

通常、申請から許可まで約40日程度かかります。許可が下りると、古物商許可証が交付されます。

許可の維持に関する事項

古物台帳の記録と保存

  • 古物商は、取引内容を古物台帳に記録し、3年間保存する義務があります。
  • 盗難品が取引されないよう、相手方の本人確認が徹底されています。

標識の掲示

  • 営業所に古物商標識を掲示する必要があります。標識には、許可番号や主要取扱い品目が記載されます。

届出義務

  • 営業内容や所在地に変更があった場合、管轄の警察署に速やかに届出を行う必要があります。
  • 廃業する場合も同様に届出が必要です

盗品等の疑いがある場合の対応

取引相手や物品に不審な点がある場合、速やかに警察へ通報する義務があります。

法人の場合の注意点

  • 法人が古物商許可を取得する場合、役員全員が欠格事由に該当しないことが条件です。
  • 役員が変更された場合は、速やかに警察署に届け出を行う必要があります。

罰則規定

  • 無許可で古物営業を行った場合、3年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されます
  • 記録義務や届出義務を怠った場合も罰則が適用されることがあります

まとめ

古物商営業許可制度は、盗難品の流通を防ぎ、健全な市場取引を確保するために重要な役割を果たしています。
許可を取得することで、法令に基づいた営業活動を行うことができ、顧客や取引先に対する信頼性を高めることができます。

一方で、許可を維持するためには、取引記録の保存や届出義務を含むルールを遵守する必要があります。
また、インターネット取引の増加に伴い、電子商取引における規制についての適切な対応も求められます。

古物商として適法かつ信頼性の高い事業を展開するためには、法令を十分に理解し、警察署や専門家の助言を活用しながら営業を進めることが重要です。

不明な点などありましたら、お気軽にご質問・ご相談ください

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