君シカオラン:装備品安定製造等確保計画の申請
装備品安定製造等確保事業では、企業の取組は,「供給網強靱化」「製造工程効率化」「サイバーセキュリティ強化」「事業承継等」の4つの類型に区分されています。
このうち 供給網強靱化・製造工程効率化・事業承継等の3類型は、設備の更新、工程改善、人材体制の強化など、生産・経営基盤を維持・安定させるための取組が対象となります。
一方で、サイバーセキュリティ強化は性格が異なります。
防衛省が指定する「保護すべき情報」を取り扱う事業者を対象とし、プライム企業(元請)との連携のもと、システム対策だけでなく、社内ルール・教育・監査体制を含む情報保全体制を整備する類型です。
多くの中小製造業において、こうした体制整備については、 防衛装備庁及びプライム企業による指導枠組みの中で進められることが一般的であるため、本ページでは 企業が主体的に取り組むことができる「3類型」に焦点をあてて解説します。
3類型の申請書作成ポイント
3類型:供給網強靱化・製造工程効率化・事業承継等
この3類型は、いずれも「生産体制の強化」や「供給の安定化」を目的とした設備・人材等への投資型の取組です。
申請書では、現状の課題を的確に示し、それをどう改善し、どんな効果をもたらすかを“ストーリーとして”整理することが重要です。
設備や人材への投資を、単なる更新ではなく「安定製造・供給力向上への取組」として整理することがポイントです。
課題・現在の状況
- まず、現在の供給・製造体制のどこにボトルネックがあるのかを明確にします。
- 例:「海外依存部品の納期不安」「高齢技能者に依存した工程」「旧設備による生産効率低下」など
- 数量・期間・コストなど、定量的な背景データ(例:納期遅延率、稼働率、歩留まり等)があれば、信頼性が高まります。
- 現状の問題点の深刻さと今後の影響を示し、「取組の必要性」を明示します。
期待される効果
- 「取組を実施した結果、何がどのように改善されるか」を具体的に。
- 例:「工程見直しにより加工工数が○%削減」「設備更新により歩留まりが○%改善」
- 効果は3層で整理すると伝わりやすいです:
- 社内効果(生産性・効率・品質)
- サプライチェーン効果(供給安定・納期短縮)
- 社会的効果(防衛装備品の安定供給・公共性)
取組内容・時期・資金・設備
- 具体的な行動計画(いつ・何を・どのように実施するか)を明記。
- 「R7年12月に○○設備導入」「R8年4月にライン稼働」など
- 対象経費の内訳(設備費・試験費・教育費など)と必要な資金の調達方法
防需活用割合(防衛利用の見込み)
- 特定取組で取得する設備等を防需及び民需に活用する場合、「防需活用割合」を示す必要があります。
- 「防需活用割合」とは、導入設備のうち防衛関連用途に用いる見込みの割合を指し、契約価格決定にあたり、この割合が考慮されます。
まとめ ― 制度を“自社の次の一歩”につなげるために
装備品安定製造等確保事業は、補助金制度ではなく、認定・契約に基づく請負(契約)スキームである点が特徴であり、計画の策定から契約、履行、報告までの一連の流れには、経営判断、資金計画、法的な整合性など、いくつもの要素が関係します。
それらを整理し、現実的かつ継続可能な計画としてまとめるには、専門的な視点と第三者的な立場からのサポートが効果的です。
当事務所では、制度の目的を踏まえた上で、
- 取組内容と効果の整理
- 認定計画・契約締結・履行に関する支援
- 防衛装備庁・地方防衛局との協議や確認対応のサポート
などを行い、企業の皆さまが安心して制度を活用できるよう伴走いたします。
制度を正しく理解し、自社の設備・人材・体制を“次のステージ”へつなげる、その第一歩を、ぜひ当事務所とともに進めていきましょう。
お気軽にご相談ください。

