元請に「許可はありますか?」と聞かれたら

「建設業許可、取った方がいいのは分かってるんだけど…」
「実務経験はあるし、技術にも自信がある。でも今のままで不便はないし…」

こうしたお気持ちで日々の現場に立たれている方も、多いのではないでしょうか。
実際、私のもとにご相談に来られる建設業者の中にも、許可を取得できる条件はすでに満たしているのに、まだ申請されていないという方が少なくありません。

そこでまずは、なぜ「許可を取らない」という選択になっているのか、その理由に少し目を向けてみたいと思います。

お話を伺っていると、次のような理由をよく耳にします:

忙しくて手続きに手が回らない
今のままで困っていない(軽微な工事が中心で支障がない)
許可を取ると、かえって制限が増える気がする
要件を満たしているかどうか、自分ではよく分からない
元請や取引先から特に求められていない

いずれも、もっともな理由だと思います。
現場に出て、見積もりを出し、手を動かして…そんな日々の中で、役所の手続きにまで時間や労力を割くのは容易ではありません。

また、現在の業務に支障がないのであれば、「あえて手を加えなくてもいい」と考えるのも自然なことです。

とはいえ、建設業許可は「特別な人だけが取るもの」ではありません。
実際、次のような方であれば、すでに許可取得の準備が整っているケースも少なくありません。

建設業の実務経験が5年以上ある
個人事業主として何年も工事を請け負っている
契約書や請求書などの記録がある程度整理されている
営業所があり、日常的なやり取りを自分で行っている

つまり、実務に真面目に取り組んできた方ほど、すでに半分以上の要件をクリアしていることが多いのです。

許可がなければ工事ができない、というわけではありません。
ですが、許可を取得しておくことで、次のような可能性が広がります。

  • 元請との信頼関係をより強く築ける
  • 外国人を雇用するには許可が必須
  • 補助金や融資の申請で、事業の信頼性が伝わりやすくなる
  • 公共工事の入札に参加することができる
  • 将来的な法人化や事業承継を検討するきっかけになることもある

これらは、すぐに必要になるものではなくても、“備えておく”という視点で大きな意味を持つことです。

建設業許可は、今すぐ必ずしも必要というわけではありません。
費用や報告義務もあり、取らなくても問題ないケースも多くあります。

ですが一方で、「今のうちに備えておいた方が安心」という状況にある方も、実は少なくありません。

たとえば、こんなとき:

元請との取引が広がりそうなとき
補助金申請や事業計画を立てようとしているとき
外国人の雇用や、公共案件を視野に入れ始めたとき
次の世代に事業を引き継ぐ準備を始めたいとき

大切なのは、“今の仕事”に加えて、“これからの選択肢”を持てるかどうか――。
その視点で許可を捉えてみることが、現場での安定や将来の備えにつながっていきます。

このブログが、
「いざという時のために、今のうちから少し考えてみてもいいかも」
「今はまだ必要ないけれど、頭の片隅に置いておこうかな」
そんなふうに思っていただける、ささやかなきっかけになれば嬉しいです。

もし、

自分の実務経験で申請できるか知りたい
どの程度の記録が必要か確認したい
なるべく負担をかけずに申請する方法を知りたい

といったことがありましたら、お気軽にご相談ください。
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