小規模事業者持続化補助金(一般型)
補助金の目的・制度趣旨
小規模事業者持続化補助金は、今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革、被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス制度の導入 等)に対応しながら、地域の小規模事業者が持続的に発展していくための基盤づくりを支援する制度です。
チラシ・ホームページ制作、設備導入、業務効率化など、販路開拓や生産性向上につながる幅広い事業が対象となります。
また本補助金は 「経営計画を整理しながら、小さな一歩を形にしたい事業者向け」 の制度でもあり、現状の棚卸しと次の一歩を明確にするプロセスが重視されています。
自社の取り組みをどのように言語化し、どのような成果につなげるかが採択の大きなポイントとなります。
計画書の整理や書類作成には一定の準備期間が必要なため、早めの着手が推奨されます。
小規模事業者持続化補助金<一般型 通常枠>第18回公募 公募要領
補助金概要
補助対象となる主な取組
- 販路開拓(チラシ・パンフレット、ホームページ制作、展示会出展 等)
- 業務効率化(設備導入、システム導入 等)
- 新サービス・新商品の提供に向けた取り組み
- 顧客獲得につながる改善・店舗・現場の環境整備 など
補助上限額・補助率

出典:小規模事業者持続化補助金<一般枠>ガイドブック
補助対象経費
機械装置費、広報費(チラシ・HP制作等)、開発費、外注費、委託費、展示会費、旅費などが対象となり、事業の実施に直接必要な経費が認められます。

出典:小規模事業者持続化補助金<一般枠>ガイドブック
対象となる事業者
- 常時使用する従業員数
・商業・サービス業(除く宿泊業、娯楽業):5人以下
・製造業その他:20人以下 - 法人・個人事業主とも申請可能
申請内容・審査のポイント
申請
申請内容
- 経営計画(自社の現状・課題)
- 補助事業計画(取組内容・効果・経費)
- 資金計画(自己資金・借入等)
- 事業支援計画書(様式4)
商工会議所(商工会)への「事業支援計画書」の発行依頼
小規模事業者持続化補助金では、申請にあたり商工会議所・商工会が発行する「事業支援計画書」が必須です。
提出する経営計画・補助事業計画の内容を支援機関が確認したことを示す書類で、締切が近づくほど発行までに時間を要します。
混雑や書類修正に備えて、早めの依頼が大切です。
審査のポイント
基礎審査
必要書類がそろっていること、募集要件(補助対象者・補助対象事業・補助率・補助対象経費など)に合致していること、補助事業を遂行する能力があること、そして小規模事業者が自らの技術やノウハウを生かして主体的に取り組む計画であることが確認されます。
計画審査
①自社の経営状況分析の妥当性
売上構成や顧客層、主力商品・サービス、自社の強み・弱みといった現状が、数字や具体例を用いて整理されているかがポイントです。
「なんとなく苦しい」「新規顧客を増やしたい」といった抽象的な表現ではなく、どの分野が伸び悩み、どの資源を活かせるのかを自社なりに分析できているかが問われます。
②経営方針・目標と今後のプランの適切性
その分析を踏まえたうえで、「今後3〜5年でどの方向に進むのか」「何を強化・転換したいのか」が一貫したストーリーになっているかが見られます。
自社の強み・弱みだけでなく、対象とする市場(商圏)や顧客ニーズの変化も踏まえ、「誰に・何を・どう届けていくか」という方針と目標が現実的かつ説得力のある形で示されていることが重要です。
③補助事業計画の有効性
補助金を使って行う具体的な取組内容が、自社の経営方針や目標を達成するうえで本当に必要かつ有効かどうかが問われます。
「チラシを作る」「ホームページを改修する」といった手段の列挙にとどまらず、その取組によってどの顧客・市場に、どのような新しい価値を提供するのかが説明されているかがポイントです。
また、技術やノウハウ、アイデアに基づいた工夫があり、デジタル技術(オンライン発信、予約・注文システム、データ活用など)をどのように組み込むかも評価対象となります。計画の規模やスケジュールが、自社の体制で実現可能な水準であることも重要です。
④積算の透明・適切性
事業計画の内容と経費の内訳がきちんと対応しているか、見積金額や数量に無理がないかがチェックされます。
「とりあえず上限額まで使う」という発想ではなく、必要な経費だけを整理し、なぜその仕様・価格が妥当なのかが分かるようにしておくことが大切です。
加点審査
【重点政策加点】(赤字賃上げ加点、くるみん・えるぼし加点、災害・事業環境変化に関する加点など)と、【政策加点】(賃金引上げ加点、地方創生型加点、経営力向上計画加点、事業承継加点、過疎地域加点 等)から、それぞれ1種類ずつ、合計最大2種類まで選択した項目が採択の判断に上乗せされます。
5.申請〜採択〜補助事業終了までの流れ
- GビズIDプライムのアカウントを取得
- 商工会・商工会議所へ事業支援計画書(様式4)の発行
- 申請書類の提出
- 採択
- 見積書等の提出(入手価格の妥当性を証明できる見積書等を提出)
- 交付決定
※交付決定前に発注した経費は補助対象外となるため、実施時期にご注意ください - 実績報告書の提出(補助事業の終了後、実績報告書および経理書類を提出)
- 補助金額の確定
- 補助金の請求・交付
- 事業効果報告書の提出(補助事業の終了後から1年後の状況)
当事務所からのご案内
当事務所では、経営計画の整理、補助事業計画の作成、見積書の整備、電子申請の準備などを含め、一連の流れを丁寧にサポートいたします。
商工会議所・商工会への「事業支援計画書」発行依頼が必要ですが、計画の整理や書類作成は当事務所で全面的にサポートし、無理のない進め方をご案内いたします。
事業の方向性に合った等身大の計画づくりを大切にしておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。

